iPadでのエロゲプレイのススメ

結論:iPadでエロゲをする場合はSplashtop2がいい。

まずこのアプリの長所を挙げよう。


  • iPadでPCの音を聞ける
    • 壁の薄い部屋でも夜に寝っ転がってイヤホンで聞けるとか、PCと違う部屋でもプレイできるとか、ジップロックにiPad入れて風呂でまったりプレイできるとか。

  • 遠隔操作中PCのディスプレイを真っ黒にすることが可能

  • 同じLANネットワーク内だと多少ラグはあるもののコマ落ちのほとんどない滑らかな映像が受信できる。
    • 他のアプリだと立ち絵や背景がよく動くゲームは厳しい。

このアプリは数カ月前まで600円くらいしたのだが、最近無料化したようだ。アプリは無料であげるから家の外からアクセスしたければお金払ってね、というビジネスモデルにシフトしたらしい。家の中でエロゲをする、という用途に限って言えばそれで全く問題ないし、もし万が一外でiPadを使ってエロゲをしたいなら、TeamViewerを使うといい。こちらはLANネットワーク内での動作がSplashtopに及ばない代わりに、外からでも無料でアクセスできる。試したことも試す気もないから確かなことは言えないが、流行のLTEとかならそこそこ快適にプレイできるのではないか。

もう1つアプリを紹介しておく。同じSplashtopのXdisplayだ。こっちはiPadをサブディスプレイとして使うことができる。タッチにも対応していて、iPadをタップすることで画面内をクリックできる。ちなみに無料のように見えるが、10分以上(多分)使う場合は450円払わなければならない。上のアプリと同様音も転送出来てこれはこれで便利なのだが、有料であることとバックグラウンドでの動作に対応していない(他のアプリに行くと接続が切れてしまう)ことがネック。iPadをサブディスプレイ化するアプリは他にも無料のもの含めあるので(使った範囲では音が転送出来なかったり自分の環境だと不安定で使い物にならなかったりしたのだが)試してみるといいかもしれない。

ちなみにリモートデスクトップ系アプリ、少なくとも今回紹介したSplashtopとTeamViewerはういんどみるゲームエンジンCatSystem2との相性がどうも悪く、クリックがうまく認識されない。その場合はフリックの要領で画面を軽く撫でながら突付くとクリックとして認識される。どうでもいい話だが、よく動く上にCatSystem2を使っている「プリズム◇リコレクション!」はリモートデスクトップアプリとの相性がかなり悪いゲームということになる。Splashtopだとさほど問題ないものの、TeamViewerだとカックカクでせっかくの立ち絵芝居が見られたものではない。コマ落ちするくらいならいいのだが、ひどいと画面の上から下にだんだん画像のロードが進んでいくという90年代感溢れる光景を目にする羽目になる。

以上、本題終わり。以下おまけ。

なんでこんなことを書いたかというと、先週か先々週ぐらいに「最近のエロゲって長すぎねぇ?」みたいな話が局所的に盛り上がってたんですよ。エロゲの衰退話と結びついて、もっと手軽に楽しめるアニメとかソシャゲにみんな流れていっちゃったよねみたいな話も出ている。

確かにエロゲは長い。エロゲ1本20時間としてアニメ4クール分、つまり1年分である。アニメが1クールであれだけの威力を持つ(Twitterラブライブとかビビオペに狂ってる人を思い浮かべながら)のだから、20時間も要るのかという話になってもおかしくはない。

しかし、エロゲを「長い」という人にとって、「エロゲの長さ問題」という言葉に還元できるほど純粋に「長さ」だけが問題なのだろうか。だって20時間って1日40分やれば1ヶ月で終わる量ですよ。実際には土日にある程度まとめてプレイするだろうから平日に割く時間はもっと少なくて済む。例えば今月だと土日があわせて10日あるので土曜日と日曜日に2時間ずつプレイするだけで1本コンプできてしまう。毎月何本も買う人はともかくとして、月1~2本だったら趣味の時間としては十分一般的な域に収まるだろう。これより長い時間まとめブログ巡回とかソシャゲに費やしてる人絶対いっぱいいるでしょ。

にも関わらず「長さ」が問題とされる、その理由はエロゲの「面倒さ」にあるのではないか。エロゲからの「乗り換え先」としてよく挙げられるアニメ・ラノベ・漫画・ソシャゲといったものと比較すると、エロゲはいかにも「面倒」なメディアなのだ。

まず第一に外でプレイできない。これは倫理的にもそうだが、物理的にもそうだ。外でできないどころか自分の部屋のPCの前という場所まで指定される。まあ今回紹介したようなソフトやラップトップを使えば物理的問題は大体解決するのだが、だからと言って通勤通学電車の中で、あるいはスタバでエロゲをやろうという人はほとんど居ないだろう。これだけならアニメも似たようなものなのだが、エロゲの面倒さは他にもある。

第二にエロゲは「ながらプレイ」に向かない。エロゲは主人公に声がないのが普通で、あったとしても地の文は読まなければならない。したがって作業用BGMのように後ろで流しっぱなしにしておく訳にはいかない。そんな訳でウインドウを前に持ってくるとここ数年で大画面化した1280*720のウインドウが画面を占拠する。このサイズだと、画面の端に置いてオートモードで流しながら他の作業をするということはほとんど不可能になる。サブディスプレイがあればよいのだが、持っている人はそう多くない。知っての通りアニメは「実況」のように他のことをしながら観ることも可能だし、ものによっては声だけ聞いていてもそれなりに楽しめる。ラブライブとかね。

スマホじゃダメで家のPCの前に座ってずっとそれだけに目を向けていなければいけない。ここまで要求するものって今時PCゲームかあるいは社会人の仕事や学生のレポートくらいしかないのではないか。これだけならPCゲームや、PCをテレビに置き換えればTVゲーム全般に言えることなのだが、「面倒」の第三として、エロゲはこれだけ要求しておきながら結局ほとんどのゲームのほとんどの部分は機械(オートモード)に任せられるくらいしか「遊ぶ」余地がないのだ。オートモードで流していたらいつの間にか寝ていて、起きたらスタッフロールも終わってトップ画面が表示されていたという経験があるエロゲーマーは多いのではないか。

要するに、これだけの面倒さを強いておいて見るのは紙芝居なのかよ、という話になる。だからといって紙芝居じゃなくて「ちゃんとしたゲーム」を作りましょう!と言う訳にもいかない。「ちゃんとしたゲーム」が作れるメーカーは僅かだろうし、そもそもユーザーもそんなことは求めていないだろう。なので「面倒さ」を軽減しようということになる。そう考えたとき最近普及しつつあるタブレットでエロゲをやるというのは結構いい手段に思える。寝っ転がりながらプレイすることもできるし、特にサブディスプレイ化した場合「ながらプレイ」もしやすくなる。メーカーが特になにかする必要もなく、ユーザーの側で勝手にできるというのもよい。もっとも今はまだこんな面倒なことをしなければならないし、iPad上で動くエロゲがAppStoreで販売されることは未来永劫無いだろうが、あと2~3年もすればWindowsタブレットがそこそこ安くなりそこそこ普及しているだろう。そうなればエロゲは今よりずっと「面倒」なものではなくなるはずだ。Windowsタブレットが普及した時のことを考えると、随分前から議論されてる割に全く実現しそうにないエロゲ版Steamについても、PCとタブレットで同じエロゲをプレイできるという新たなメリットと必要性が出てくるだろう。エロゲの楽しみ方は今よりもっと多様でありうるのではないか。